先ほど書いた、お題SSS。
『日常茶飯事10のお題』配布元は
『雨色デイズ』様です。
ちなみに、コンプできない確立が50%以上。
だって、現実逃避のための突発企画なんだもの(苦笑)
とりあえす1~3話。
読んでくださる方は続きからドウゾ。
01 格闘(ジャッカル視点で真幸)
ばたんばたんと、扉一枚隔てた向こうでものすごい音がしている。
俺は、思わず扉の前で立ちすくんだ。
俺の記憶に間違いがなければ、ここは部室である。
否、間違いがあるわけがない。ここは確かに部室だ。
だが何だって部室の中からこんな、取っ組み合っているような音が聞こえるんだ?
また赤也とブン太か…と思ったが、俺は即その可能性を自ら否定した。
赤也とブン太なら、どたんばたんと言う音以外に、怒鳴り声が聞こえてくるはずだ。
だと言うのに、それがねぇ。あの二人が怒鳴りあいもせずに取っ組み合いの喧嘩をするなんて、あり得ない。だから却下。
となると誰だよ。
この時間に部室居残っているのなんて、レギュラー陣以外あり得ない。
候補は5人。いや、4人か。柳生は間違っても殴り合いなんてことはしないだろうと思う。ヤツは基本的には紳士なのでまず手は出さない。変わりに口はでるのだが…。
相変わらず部室からはにぎやかな音。
それに混じって『あぁもうしつっこいなぁ!』『お前こそいい加減に観念せんか!』という声が聞こえたので、俺はすばやく回れ右した。
愛を育んでいる神の子と皇帝の間に割って入って馬に蹴られるのは、誰だってごめんである。
02 データ採取(柳幸)
「ねぇ蓮二」
「何だ」
「これ、何の冗談?」
「失礼だな、冗談などではないぞ」
「じゃぁ一体何を、するつもりなんだよ」
「ただのデータ収集だが?」
さらっとそんなことを涼しい顔で言ってのける参謀に向かって、俺は思い切り怒鳴ってやった。
「人のことを裸に剥いた挙句拘束して取るデータってどんなだよ、このむっつりスケベ!放せよ!」
油断していた俺が悪いと言われればそれまでだ。
だけど、それにしたってこの仕打ちは酷いと思う。
が、蓮二はわめいて睨みつける俺に向かってニヤリ、と笑った。
その笑顔に、背筋が寒くなる。
が、今の俺は手足を拘束されている。逃れる術は愚か、抵抗する手段さえない。
「さて、どのデータから採ろうか」
蓮二の声は、妙に楽しそうだった。
03 謎のメッセージ受信(赤也と幸村)
部長からメールが来た。
一体何の用事だろう、明日の練習のことだろうか…と予想しながらメールを開いた俺は、固まった。
画面に表示されているのは、意味不明な単語の羅列。
意味を成さないそれらが、無機質無意味ににずらりとならんでいる。
え、これって何?
新手の暗号っすか?
それとも、単なる嫌がらせ?
一番最後のが一番確率的には高そうなところが、悲しい。
けどあの部長のことだ、何らかの返信を返さないと、確実に機嫌を損ねるに違いない。
一日中無視されるのも、理不尽にグラウンドを走らされるのも、背筋の凍る笑顔を向けられるのもごめんだ。
よって俺は、このメールに返信を返さないといけない。
ケータイを片手に俺はがしがしと髪の毛を掻き毟った。
わかめ頭がいつもより酷い有様になったけど、部長のメールに対する返信の内容は何一つとして浮かんでは来なかった。
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