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日常。 仕事(ケーキ)とテニプリのことばかり。
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先ほど書いた、真幸前提の赤幸ダークSSです。
悪魔化…のような、そうでないような。
仕事中に考えて、ケータイでちまちま書いていまし。
「ケーキ作りながらこんなダークな話ばっか考えてるなよ!」という突っ込みは、無しにしてください(笑)

ついでに、このシリーズキャラの年齢は基本的に大学生で皆一人暮らしをしている設定になっています。

興味のある方は続きからドウゾ。






【壊した君と、その欠片】

『思いの欠片』(赤幸)

ふと気がつくと、目の前に幸村部長が倒れていた。
正確に言えば、もう部長ではない。幸村部長が部長だったのは高校生までで、大学生になった今部長という呼び方は不適切なのかもしれない。
でも俺にとって幸村部長はずっと幸村部長。中学の時も高校の時も今もずっと。

…関係のない事を考えて目の前の現実を拒否してみようかとも思ったけど、やっぱり無理だった。
俺は、ブツリと切れている記憶を必死に辿る。
確か幸村部長が一週間前から一人暮らしを始めた俺の部屋を見たいという内容のメールを送って来て、二つ返事で了解して。
幸村部長と部屋で二人きりっていう状況に舞い上がって、はしゃいで窘められて一緒にご飯作って…。
…それで、どうしたのだったか。
そう、幸村部長が『この前真田とどうした』とか『この前真田がどうした』とかそんな話しばかりするから…段々苛々してきて…
あぁ、そうだ。
俺は聞いてしまったんだ。
『幸村部長、今でも副部長の事好きなんですか』
…その答えを聞くのは、死刑宣告も同然だって、わかっていたのに。
中学からずっと大事にしまってきた思いを引き裂く事だって、知っていたのに。
俺は、きいてしまったんだ。
『うん、今でも愛してるよ』
幸村部長は、何のためらいもなくそう答えた。
その躊躇いの無さが逆に幸村部長の思いの深さを表現しているような気がした。
おれの密かな思いが、完全否定された瞬間だった。
それを理解したら…視界が赤く染まっていた。
そこから先は、本当に俺の記憶なのかと疑問に思いたくなるほどに現実感がなく、夢の中の出来事みたいだ。
俺は、幸村部長につかみかかった。
部長は最初驚いて俺を宥めようとしたけど、構わず殴りつけた。
…その後は取っ組み合い。
俺が上になったり幸村部長が上になったり、とにかく部屋中使った掴み合いだった。
けど部長は俺を押さえようとしてたから、部長をぶちのめしてやろうと思ってた俺はどうにか部長をおさえつける事が出来た。
『なんで…っ』
俺は、叫ぶ。
『何で副部長なんですか!何で俺がいくらアンタを思っても気づいてくれないんですか…っ!!アンタは知らないでしょうけど、俺は、中学の頃からずっと…アンタが好きだったんですよ!!』
…言うつもりなんて無かった。なのに俺はそれを口にしていた。
でも、一度口から出た言葉はどうやっても取り返せない。
そして部長は寂しそうな目で俺を見て…『知ってたよ』と答えた。
は?
何つった?
シッテイタ?
『じゃぁアンタは、人の気持ちをしりながら気づかないフリしてたんすか?で、俺が一喜一憂するのを見て喜んでいた、と』
『違う!…赤也の気持ちに気づても、俺はそれに応えられない。俺の一番は真田なんだ。だから俺は赤也に普通に接するようにしたんだよ。それしか、俺にはできなかったから…』
ふざけんじゃねぇ!
俺は、そんな哀れみなんて欲しくなかった!俺が欲しかったのは、幸村部長からの愛。それだけだ!
俺は、怒りに任せて手近にあったカバンを掴むと、それを幸村部長の頭部に叩きつけた。
ごっ、と、鈍い音がした。

そうだ。俺、幸村部長をカバンで殴ったんだ。そのカバンは中に大学の教科書とか辞書とかが入ってたから、俺の想像以上の効果を発揮して…
て、違う。それより早く救急車…!

その時ふと、頭の片隅が冷えた。
赤く染まる視界。
キュウキュウシャ?ナニヲイッテイル?
ずっと焦がれていた幸村部長が、目の前に無防備に倒れているのだ。
今なら。

テニハイル。

そう、まずは逃げらんないようにしないと。縄…いや、引っ越しの時に使った荷造り紐があるはずだ。痛いだろうが、とりあえずそれで我慢してもらおう。
引っ張り出してきた紐で、部長の手足を縛って拘束する。
あと大声出されるのもまずいから、猿轡。
幸いな事に、俺の家の場所を知っている人物は親と幸村部長くらいだ。他の人達には、これから知らせるつもりだったから。
つまり、それなりの猶予があるわけだ。
その間に対策を練ればいい。
それよりも、今は。
ようやく部長を手に入れた、この幸せに浸りたい。
 

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